介護期間と資金計画 

Question

親の介護期間は、大体どのくらいを認識していればよいでしょうか。介護期間によってお金がいくらかかるのか大体把握しておきたいと思っています。

 

Answer

(結論)

介護になる年齢や要介護度、原因等さまざまな要因で介護期間は変わりますが、約10年強くらいを考えていたほうがいいと思います。私見ですが、60歳代で介護になると約20年くらい、70歳代であれば、約15年くらいの介護期間を考える必要があるかもしれません。

 

生命保険文化センターの「平成30年度生命保険に関する全国実態調査」によると平均介護期間は4年7カ月10年以上の介護期間は14.5%あります。

 

この調査では、現在、介護中の方も回答していますので、実際は、平均介護期間はもっと延びるはずです。

 

その他に、介護期間を「健康寿命」と「平均寿命」の差と考え、介護期間とする場合もあります。厚労省は(2016年)

  • 男性の健康寿命は72.14歳、女性は74.79歳
  • 平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳で

男性は8.84年、女性は12.35年介護期間が必要になる可能性があります。

 

上記の「生命保険文化センターの結果」や「健康寿命と平均寿命の差」などからも男性、女性ともに約10年強くらいを考えて資金計画を立てたほうがいいかもしれません。

 

私の母親の場合ですが、脳溢血で60歳の時に倒れ、要介護4から徐々に回復していき要介護3となり、少しずつ回復していました。

ところが、約10年たった69歳のときに再度、脳溢血で倒れ、約8年間の入院生活などを経て永眠いたしました。

 

「介護」が終わるということは、「死」を意味することで、とてつもなく悲しいことです。

 

母親は、最初の10年間は在宅介護でデイサービス等を利用し、その後8年間は老人保健施設と病院への入院で大体半分ずつくらいでした。

 

私の周りにも介護期間が10年以上という方は珍しくはありません。

 

例えば、介護費用については、10年間は在宅介護(要介護3)とし、5年間を特別養護老人ホームに入所したと仮定した場合、「家計経済研究所のNO113」によると要介護3で経常的費用の中央値は毎月4.2万円です。

 

在宅介護の10年間で504万円必要です。その後5年間の特別養護老人ホームでは、厚労省のモデルケース(住民課税世帯など、ユニット型個室)によると年間167万円、5年間で834万円になります。

 

合計は、1338万円になります。もし、原因が認知症などであればもっと費用はかかります。

 

実際には、親の年金があり、月5万円くらいの収入があれば、15年間で900万円の収入となり、上記1338万円との差額438万円となります。介護費用としては約500万円程度の準備が必要になります。

 

このように、要介護度や原因、年齢、あとは、在宅介護か施設介護か等さまざまな要件によって介護費用は変わりますし、親の年金収入の額によって実際に必要なお金も変わってきます。

 

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カワムラ行政書士事務所

 

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